2010/09/17

「クラウド育ち」のOSS、主役に

2010年9月15日発売の日経コンピュータ誌の特集「クラウド育ち」のOSS、主役に」において、Hibariが紹介されました。


Hibariは「クラウド育ち」の新型OSSがユーザー企業にもたらすメリットとして、「ハードウェア障害が起きても”落ちない”データベースシステムを運用できる」活用ソフトとして、「Cassandra」「Voldemort」とともに紹介されています。

また、日本企業からも登場し始めた「クラウド育ち」のOSSとして、

「Hibariは元々、ネット企業や通信事業者向けに開発したソフトだ。日本国内大手ネット事業者が提供するWebメールのストレージとして採用された実績がある。中国の大手通信事業者であるチャイナモバイルやチャイナユニコムもHibariを利用する」に加え、

「OSSとして公開して、まずは様々な企業に使ってもらおうと思った」と紹介されています。

多くの誌面に紹介していだだき心から感謝しているところですが、OSSとして公開した理由については、もう少し付け加えたいことがありました。

(1) エコシステム
OSSとして公開することにより、Hibariというデータベースを取り巻くエコシステムを作りたいと考えました。これはすでに動き始めているという実感があります。HibariはLinuxのRed Hat、Cent OS、Fedora LinuxをOSとしてサポートしてきました。それは利用していただいているユーザーの環境に合わせるためです。しかし、OSSとして公開した直後から、Debian、Ubuntu、さらにはMac OS Xも利用できるように、次々とパッチが送られてきています。このおかげで、さらに多くのOS環境から利用できるようになります。今後はクライアントAPIの言語においても、いろいろな言語から利用できるようになるとうれしいと考えています。

(2) チェイン・レプリケーション
Hibariは、結果として整合性が保たれるという「結果整合性」ではなく、リクエストに対し更新を確認済みのデータを必ずリプライする「強い一貫性(Strong Consistency)」を提供するため、チェイン・レプリケーションという技術を実装しました。このチェイン・レプリケーションについて、いくつかの論文は発表されていますが、商用システムにおいて実装されたという事例はいまのところ発見できていません。おそらく、世界初であろうと考えています。OSSとして公開することにより、このチェイン・レプリケーションの実装方法をレビューしてもらい、今後のNoSQL技術の進化に貢献したいとも考えました。

(3) Big Dataアプリケーション
Hibariはデータベースです。そのため、このデータベースを利用するアプリケーションが必要です。HibariはWebメールのために最適化されていますが、これからのBigDataの時代には、想像を超えた広範囲な分野で活用される可能性があるのでは無いかと考えました。そんなユーザーに近いアプリケーションを開発している方々に、気軽にHibariを利用してもらえれば、Big Dataのアプリケーションに対する新しい領域が見えてくるのではないかと思いました。

このような理由も含め、HibariをOSSとして公開しました。しかし、実際にOSSとして公開してみると、公開前には想定していなかった効果が顕著になってきました。

それは、世界中からHibariのダウンロードがあり、さまざまな国々の方々から問い合わせをいただいているという点です。たとえば、ドイツ、英国、ウクライナ、ロシア・・。渋谷から半径何キロメートルから、ある日突然、世界に視野が広がったという感じです。

もっともっとHibariの知名度があがるようになれば、さらに想定していなかった効果があるのかもしれません。それは本当に楽しみです。